2019年11月09日
数字やデータは見せ方で印象が全然違いますね。

今日は数字の見せ方で、相手に見せる印象が全然違うことについて。
数字は嘘を吐かないといわれます。
確かに数字というかデータ自体は、嘘を吐かないと思います。
しかし・・・
そのデータを扱うのは人間です。
人間は時には間違う生き物です。
さらに自分に都合がよいように、数字を見せることは良くある物です。
ただ見せ方が変わっても、数字の客観性は同じだから性質が悪いのかもしれませんね。

例えば帰化申請での許可率と不許可率についても同様です。
ここで法務局から発表された帰化許可申請の数字をご紹介します。
そのままでは読みづらいので、エクセルで簡単に加工いたしました。
法務省のウェブサイトのデータを参考にしました。
参照元URL:http://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html
表は平成21年から平成30年までの帰化申請に関する情報です。
この10年の帰化申請者は9,000人から15,000人で、平均すると11,559人です。
許可になって日本国籍を得た人の平均は10,517名です。
10年で不許可になった人数の平均は451人。
10年間の許可率の平均が90.87%
対する不許可率は3.99%になります。
帰化の許可率はその年によって、バラツキが大きいです。
106%の年と81%の年があります。
許可率が20%以上も差がある場合、平均を取ってもあまり意味がない気がします。
表現の方法でも印象が変わります。
例えば
「帰化申請は9割以上の人が許可される」
「申請者100人中10人が不許可になる」
同じことを言っていますが、印象が全然違いますね。
上のほうを強調すると、帰化は簡単に見えてきます。
逆に下のほうを強調すると、帰化が難しい印象を与えます。
不許可者数と不許可率を折れ線グラフにしても、作り方で印象が変わります。

例えば表にある全ての要素をごちゃ混ぜにしたグラフを作ると、不許可者数や不許可率が横ばいでさらに数字的に、取るに足らない印象を与えます。
今度は不許可率だけを取り出して、折れ線グラフにすると・・・
不許可率が右肩上がりの爆上げ状態になります。
同じ数字でも、この様にグラフの作り方次第で印象が全然違います。

あと数字の原因を分析するときにも、人間の考えやポジショントークに影響されます。
例えば近年では、帰化申請で不許可者数と不許可率が上昇しています。
エクセルのデータで分かることはこれだけです。
帰化で不許可になった原因は、法務省のデータには一切書かれておりません。
不許可者が増えた理由を「自己流の申請が増えた結果」と断定することも可能です。
不許可者が増えたのは、法務局の審査が厳しくなったとも取れます。

数字自体には、如何なる意味もありません。
データに意味を見出すのは人間です。
なかなか面白いものですね。
データを活用すると客観的な印象を与えます。
自分の勝手な憶測だけで、物事を語らない専門家だと印象付けるには打ってつけです。
実際は数字を出してくる人が、客観的であるとか限りません。
むしろ数字を自分に都合の良い形に評価することも可能です。
これをズルいと考えるか、有効と考えるかは・・・
その人次第ですね。
またフォントの使い方で印象付けることも可能です。
明朝体とゴシック体、手書き風のフォントで与えるイメージが全然違います。
カチッとした内容の文書に「創英角ポップ体」を使えば、信頼性は弱くなります。。
逆に元気さや楽しさがメインの文章に「明朝体」は似合いません。
Posted by ミスター・フー at 17:01│Comments(0)